「特定技能」の対象職種は16分野へ。制度拡大と転籍解禁時代に、外国人材を“定着”させ“戦力”にするための完全ガイド

「人手不足で受注を断らざるを得ない」「特定技能外国人を採用したいが、どの職種が対象なのか複雑でわからない」——。 少子高齢化が加速する日本において、現場の労働力を確保することは企業の存続に関わる最重要課題です。その切り札として注目されているのが、即戦力となる外国人材を受け入れる「特定技能制度」です。

2024年、この制度は大きな転換点を迎えました。対象分野が従来の12分野から16分野へと拡大され、さらに将来的な「育成就労制度」への移行を見据え、外国人材のキャリアパスが明確化されました。 しかし、制度が拡充される一方で、経営者が直面するのは「採用しても定着しない」「言葉の壁で生産性が上がらない」という課題です。

本記事では、最新の「特定技能」対象職種を完全網羅しつつ、採用コストを無駄にせず、外国人材を「投資対象」として活かすための戦略と仕組み(アップカルのソリューション)について解説します。


1. 「特定技能」とは?人手不足を解消する即戦力人材の枠組み

制度の目的:「国際貢献」から「労働力確保」への転換

特定技能制度は、国内で人材確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるために2019年に創設されました。 これまでの「技能実習制度」が「開発途上国への技術移転(国際貢献)」を建前としていたのに対し、特定技能は正面から「日本の人手不足の解消」を目的としています。

「即戦力」として現場に配属可能

特定技能外国人は、各分野の技能試験と日本語試験に合格しているか、技能実習2号を良好に修了していることが要件となります。 そのため、入社直後から一定程度の業務を遂行できる「即戦力」として期待できます。また、これまでの就労ビザでは難しかった、現場作業などの「単純労働」を含む業務に従事できる点も大きな特徴です。

企業の未来を左右する「特定技能」の活用

2024年10月末時点で、日本の外国人労働者数は230万人を突破し、特定技能在留者も急増しています。 もはや外国人材は「安価な労働力の調整弁」ではありません。彼らを「共に働くパートナー」として迎え入れ、定着させる仕組みを持つ企業だけが、これからの時代を生き残ることができます。


2. 【最新版】特定技能の対象となる「16分野」と業務内容

制度開始当初は12分野でしたが、2024年の追加により、現在は以下の16分野が対象となっています。自社の業種が該当するか確認しましょう。

1. 介護(身体介護等)

身体介護(入浴、食事、排せつの介助など)や、レクリエーションの実施などの支援業務に従事します。訪問系サービスへの従事も一定条件下で解禁されるなど、柔軟な運用が進んでいます。

2. ビルクリーニング(建築物内部清掃)

オフィスビルや商業施設、ホテルなどの建築物内部の清掃業務を行います。場所や建材、汚れに応じた洗剤・用具の選定など、専門的な知識が求められます。

3. 工業製品製造業(製造3分野を統合)

旧「素形材産業」「産業機械製造業」「電気・電子情報関連産業」が統合されました。溶接、塗装、機械加工、電気機器組立てなど、ものづくりの現場で幅広い業務に従事できます。

4. 建設(土木、建築、ライフライン)

型枠施工、左官、鉄筋施工、内装仕上げなど、建設現場の専門業務を担います。人手不足が最も深刻な分野の一つであり、特定技能2号への移行も盛んです。

5. 造船・舶用工業

溶接、塗装、鉄工、機械加工など、造船現場での専門業務に従事します。建設と同様、高度な技能が求められる分野です。

6. 自動車整備

自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備などを行います。特定技能1号の段階から高い専門性が求められる分野です。

7. 航空

空港グランドハンドリング(手荷物・貨物の取扱、地上走行支援)と、航空機整備の2つの区分があります。

8. 宿泊

ホテルや旅館のフロント業務、企画・広報、接客、レストランサービスなどに従事します。インバウンド需要の回復により、採用ニーズが高まっています。

9. 農業

耕種農業(栽培管理、収穫)と畜産農業(飼養管理)が対象です。季節による繁閑差に対応するため、派遣形態での雇用が認められています。

10. 漁業

漁業(漁具の製作、水産動植物の探索・採捕)と養殖業が対象です。農業と同じく、派遣形態での雇用が可能です。

11. 飲食料品製造業

酒類を除く飲食料品の製造・加工(パン、惣菜など)や衛生管理に従事します。製造業の中でも特に外国人比率が高い分野です。

12. 外食業

飲食店での調理、接客、店舗管理業務に従事します。特定技能2号の対象にも追加され、店長候補としての育成も可能になりました。

13. 自動車運送業(新設)

バス、タクシー、トラックの運転者として従事します。日本の運転免許取得や研修が必須要件となります。

14. 鉄道(新設)

軌道整備、電気設備整備、車両整備、運輸係員(駅員・車掌など)としての業務に従事します。

15. 林業(新設)

育林(植栽、下刈りなど)や素材生産(伐採、搬出など)の業務に従事します。

16. 木材産業(新設)

製材、合板製造、木材チップ製造などの木材加工業務に従事します。


3. 「特定技能1号」と「2号」の違いとキャリアパス

特定技能には「1号」と「2号」の2つの区分があり、外国人材のキャリアアップの道筋となっています。

特定技能1号:在留5年・家族帯同なし

  • 概要: 相当程度の知識・経験を必要とする業務に従事。
  • 在留期間: 通算で上限5年。
  • 家族帯同: 原則不可。
  • 支援: 受け入れ企業(または登録支援機関)による生活・職業生活上の支援が義務付けられています。

特定技能2号:在留無期限・家族帯同あり

  • 概要: 熟練した技能を必要とする業務に従事。現場の監督者クラス。
  • 在留期間: 更新に上限がなく、事実上の永住への道が開かれます。
  • 家族帯同: 配偶者と子の帯同が可能。
  • 対象: 介護を除く11分野(2023年に大幅拡大)。
  • 支援: 企業による支援義務はありません(自立しているとみなされるため)。

「2号」への移行が定着のカギ

外国人材にとって、家族を呼び寄せ、長く日本で働ける「特定技能2号」は大きな目標です。 企業が2号へのキャリアパスを提示し、資格取得を支援することは、最強の定着策(リテンション)となります。


4. 2027年開始「育成就労制度」で高まる人材流出リスク

今後の外国人雇用を考える上で避けて通れないのが、技能実習制度の廃止と「育成就労制度」の新設です。

「人材育成」と「人材確保」が目的

新制度は、3年間の就労を通じて特定技能1号レベルの人材を育成し、そのまま特定技能へ移行して長く働いてもらうことを目的としています。

経営者が警戒すべき「転籍(転職)」の緩和

最大の変化は、一定の要件(就労期間1〜2年、日本語能力など)を満たせば、本人の意向による転籍(転職)が可能になる点です。 これまでは「実習生は辞めない」という前提がありましたが、これからは「魅力のない職場」からは、せっかく育てた人材が流出してしまうリスクがあります。 採用・育成コスト(1人あたり数十万円〜)を回収するためには、「選ばれる企業」になるための努力が不可欠です。


5. アップカルが提案する「投資回収」のための定着戦略

外国人材の受け入れは「コスト」ではなく「投資」です。この投資を回収し、利益を生むためには、「定着」と「生産性向上」が必須です。

採用コストをドブに捨てないために

外国人材1名の採用には、紹介料や渡航費などで約60万円以上の初期投資がかかると言われています。 もし、言葉の壁や人間関係のトラブルで早期離職されれば、このコストはすべて損失になります。 アップカルは、テクノロジーを活用してこのリスクを最小化します。

現場の「言葉の壁」を可視化する「KABETORI」

現場での指示伝達ミスは、生産性低下や事故の元凶です。 アップカルの多言語日報アプリ「KABETORI」は、日報を「①母語原文」「②直訳」「③丁寧な日本語」の3層構造で保存します。

  • 誤解の特定: 「日本語がわからない」のか「業務理解が不足している」のかを特定し、的確な指導につなげます。
  • 日本語学習: AIによるリライト機能で、自分の母語がどのような日本語になるかを学ぶことができ、日々の業務が日本語教育の場になります。

AI感情解析で「辞めたいサイン」を早期検知

「KABETORI」に蓄積されたデータから、AIがストレス語やネガティブな感情の推移を解析し、ダッシュボード化します。 面談では「大丈夫です」と答えてしまう外国人材の、小さな不満や離職の予兆をデータで検知し、早期介入することで、離職を未然に防ぎます。これが、投資回収を確実にする仕組みです。


6. 「評価」と「キャリア」でモチベーションを高める

外国人材専用の人事評価「MICHISUJI」

外国人材が離職する大きな理由は「給与」と「キャリアの不透明さ」です。 「あとどのくらい頑張れば給料が上がるのか」「特定技能2号になるには何が必要か」が見えなければ、彼らは時給が少し高いだけの他社へ流れてしまいます。 アップカルの「MICHISUJI」は、外国人材に特化した人事評価アプリです。 評価基準を言語化・多言語化し、キャリアパスを明確に提示することで、「この会社で頑張れば報われる」という納得感とエンゲージメントを高めます。

人的資本経営としての外国人雇用

特定技能外国人の育成状況や定着率は、企業の人的資本としての価値を示します。 アップカルのシステムでデータを一元管理し、育成の成果を可視化することは、投資家や取引先に対する企業のブランド価値向上にも寄与します。


結論:制度を理解し、「仕組み」で勝つ組織へ

特定技能の対象職種は16分野へと拡大し、外国人材の活用は日本企業の成長にとって不可欠な要素となりました。 しかし、制度を利用するだけでは不十分です。重要なのは、受け入れた人材を「定着」させ、その能力を最大限に引き出す「仕組み」を持つことです。

アップカルは、「『壁』を取り除き、『付加価値』を生み出す」をミッションに、現地育成から入社後の定着、生産性向上までを一気通貫で支援するプラットフォームです。 単なるツールの提供だけでなく、データに基づいたコンサルティングで、貴社の外国人雇用を「コスト」から「企業の成長エンジン」へと変革するお手伝いをします。

「特定技能での採用を検討している」「外国人社員の定着率を上げたい」とお考えの経営者様は、ぜひ一度アップカルにご相談ください。